野宿者支援GIG

homeless7582004-10-30

今年の10月30日に、僕は何人かの友人と共に野宿労働者への支援を目的としたライブコンサートを行いました。「ライブコンサート」と言いましても僕は有名な歌謡曲を歌う歌手でも何でもなく、ただそれは僕たちがやっている「ハードコア・パンク(以下パンクと略)」という音楽のバンドのライブの目的を、野宿者への支援としたものです。これを読まれる皆さんがパンクという音楽に対してどんなイメージを持っているかはわかりませんが、(もちろんパンクミュージックにも色々種類があるのですが)僕の考える「DIY(Do It Yourself)ハードコアパンク」というものは簡単に言えば、それを通して自分自身が考え、行動する音楽というものです。
 毎週というわけではありませんが、僕が個人的に金曜夜の夜回りに参加するようになって一年半、一緒に夜回りをする仲間たちや、公園や路上などで寝ている野宿の方たちと実際に話をしたりして触れ合うことで、様々なことを知り、学びました。それは一言で言ってしまえば、「生きる」ということに対する意識の変化です。
 教わりっ放しのこの一年半、ここらで何か僕たちが彼ら彼女らに対して出来ることは無いだろうか・・・結果としてお金や衣類を寄付することに焦点を絞り、「支援ライブ」といった方法で僕たちは恩返しをすることにしました。

 ライブ当日は不運なことに大雨でしたが、東京から演奏しに来てくれたTHE HAPPENINGというバンドとその仲間や、長野から駆けつけてくれた友人もいました。PROLETARIART、OUT OF TOUCH、無我、前述のTHE HAPPENINGと全部で4つのバンド(横文字が多くてスミマセン)が出演し、46人の人がそのライブを見に来てくれました。事前に宣伝ビラで洗濯済みの衣類を持ってきてもらうよう呼びかけたので、大雨の中45リットルのゴミ袋一杯に詰め込んだ衣類を持って来てくれた人が大勢いました。ある友人は、仕事場で使わなくなったからと、たくさんのビニールシートを持って来てくれました。普段のパンクのライブではライブの最中に誰かが話をすることなどあまりないのですが、この日は野宿者、特に名古屋周辺に寝泊りする野宿労働者の現状の説明があり、会場に来た人は真剣にその話を聞いていました。また野宿者の日々を写した写真も会場内に展示しました。ライブとしても普段のそれとは趣が違うものでした。
 当日のライブから出た収益は23420円、当日直接集めたカンパは9725円、合計33145円を野宿労働者の人権を守る会に送りました。衣類は約50キロ集まりました。
 こういった目的のライブ自体が新たな試みだったので、どれくらいの人が来て、どれくらいのお金や衣類が集まるかは未知数でしたが、蓋を開けばたくさんの人が来て衣類とお金が集まり、中には支援に興味があったけどどうすればいいのかわからなかった人もいたらしくそういった人の橋渡しの役割も担えたことや、終わってから「勉強になった」という声も多く聞き、考え行動するパンクの流れの一つとして、とても意義のあったライブになったと思います。これが野宿労働者の皆さんにとってどれだけの意味を持つかはわかりませんが、少なくともパンクの中でも考え行動する人が増えていけば、もっとマシな状況を構築できるのではないのでしょうか。それを信じてまた次に繋げていこうと思います。