野宿者・日雇い労働者の越冬にご支援を!

 野宿者や日雇い労働者の現実に関心を寄せておられる皆さん!
 この十数年失業などで野宿を強いられる人が急増しました。冬、特に年末年始は役所も休みとなり、日雇い仕事もなく、アルミ缶買取所も休みで、野宿を強いられてている人々や日雇労働者にとって、いっそう厳しい時期です。
 ここに最近の状況の特徴を示し、越冬支援を呼びかける次第です。

野宿者が大幅に減少?
 名古屋市は、05年6月時点での市内の野宿者数は1,036人で2年前に比べ752人減少、自立支援策が進んでいる結果だと発表しました。確かに白川・久屋大通若宮大通・名城・鶴舞など各公園のテント・小屋は激減しています。かなりの人が、「法律はできたし、自立支援施策も順調に進んでいるのだろう」と考えているのではないかと思われます。

シェルター入所強要による追い出し
 緑政土木局は、シェルター入所対象者をテント・小屋生活をしている人と限定し、テント・小屋無しの人は入所させませんでした。追い出すための施策と言われるゆえんです。しかも施設を経由せずに生活保護でアパート入居するという選択肢を示さないで、シェルター入所を強要し、公園の工事だと称してテント・小屋をどんどん撤去してきました。 一日1食しかなく、就職できるかも不安で、シェルター入所に展望がもてない人は、他の場所に移らざるを得なくなりました。そんなやり方は納得できないと抗議していた白川公園の仲間7人に対しては、名古屋市は機動隊も動員して1月24日強制的にテント・小屋を撤去し、追い出しました。

自立支援施策は進んでいるのか?
 2002年に「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」が制定され、名古屋市においても、シェルターや自立支援センターがつくられました。 シェルターの退所者を見ると、生活保護関係約29%、自主退所24%、自立支援センター入所21%、就労退所してアパート確保できた人は僅か4.7%で、11.7%の人は住み込み就職など不安定な住居で病気や解雇になればたちまち野宿となります。 自立支援センターも、自主退所が30%で、住宅を確保して就労した人は35%、住み込み就職など不安定な住居の人は18%で、生活保護などは12%です。 以上のようなことから、こうした施設入所でなくても生活保護制度をきちんと使えばよいこと、自主退所(再野宿といえるだろう)が多く、就職できても再び野宿に追い込まれる環境の人が多い、と言えます。 個人を尊重していない(自己決定権の否定)、住環境が悪い、公的な就労保障がないなど、現施策の限界を示しているとも言えます。

テント・小屋は減っても、同じように野宿者が減るのではない
 以上のように、テント・小屋を撤去されて他の地域に移動せざるを得なかった人や、施設入所したが再野宿に追い込まれる人がかなりいます。こうしてテント・小屋が持てなくなり、かえって状況が悪化しています。 また現在の野宿者数調査ではテントのない人は確認されにくく、テントが撤去されテント無しの人が増えている現状は、実際の野宿者数よりも確認数(発表数)が2年前以上に少くなくなります。野宿者はもっと多いのです。

ますます野宿者排除が強まっている
 名古屋市は、評判が悪くて空きが多いシェルターに、今秋テント・小屋をもたない人の入所も認め始めました。緑政土木による入所強要を止め、希望者が入れるようにすればいいのです。ところが、緑政土木局は以前より厳しく、意に添わない入所を強要しています。 またテント・小屋のない人が植え込みに仮置きしている荷物の撤去まで、徹底して行っている現状です。

襲撃事件の激発は、名古屋市の野宿者排除も影響!
 02年8月から1年足らずの間に、市内で3人の野宿者が襲撃で殺され(現在も未解決)、03年11月から04年8月頃の北区や中区での連続襲撃事件の中で一人が亡くなっています。そして今年8月から金山周辺で襲撃事件が続き、他にもあちこちで起こっています。港区の荒子川公園で10月22日に野宿者一人が小学生への傷害容疑で逮捕されましたが、実は夏頃から小学生たちが花火を打ち込んだり、石を投げたり、モデルガンで撃ったりの事件が相次ぎ(10人ほどが補導されたよう)、野宿者たちが自衛せざるを得ない状況があったのです(これらはほとんど報道されていません)。
 行政による野宿者排除は、野宿者を排除してもよい存在、すなわち「人として」でなく、「モノ」のように接してもよいと社会に示していることにもなります。こうしたことが若者子供たちに悪影響を与えているのです。
 
  第31回名古屋越冬実行委員会の活動内容

 就労の場や社会保障などから排除された結果として、失業者・野宿者があります。行政は、追い出し・排除を止め、野宿者との信頼関係を構築し、生活保護を公正に適用して生活保障をし、就労対策を行い、野宿者の自己決定権を尊重するべきです。野宿者への偏見もただしていく必要があります。 これらを実現することを大きな課題としつつ、越冬集中期間に野宿者、日雇い労働者、支援者が、力を合わせて色々な活動を行います。 広範囲な活動を連日朝早くから夜中まで活動を行いますので、ぜひ皆さんに少しでも参加して頂きたいと思います。初めての参加者も大歓迎です。 運転免許をお持ちの方、医療従事者などもお待ちしています。

 (1) 12月28日〜1月3日:炊き出し(夜7時〜)。
   12月29日〜1月3日の昼食は共同炊事。
 (2) 生活健康相談や診察、入院・入所へのサポート。
 (3) 夜まわり活動(夜9時〜):毛布やカイロ、薬なども配付。
   年末は、名古屋広域での昼まわり。
 (4) 無料散髪。衣類の無料配布。
 (5) 駅周辺などでの市民への情宣やカンパ活動。
 (6) 大晦日年越し豚汁、元旦のモチツキ・カラオケ大会など。
 (7) 無料宿泊所(船見寮)入寮者との面会・交流。
   元旦には生活保護施設である植田寮入寮者との面会・交流。
 (8) 愛知県や名古屋市に対する要求書提出。
   就労保障や生活保障を勝ち取るための団体交渉。

【主な活動日程】
12月18日(日)1時半、越冬前段集会(栄、名古屋市教育館第8研修室)
12月28日(水)〜1月3日(火) 越冬闘争集中期間(西柳公園拠点)
12月28日(水)8時〜 越冬団結小屋建て込み(西柳公園)
      17時半〜越冬突入集会。その後炊き出し夜回りなど(西柳公園)
12月31日(土) 年越しイベント(豚汁など)
1月1日(日) 9時〜 モチツキ大会、カラオケ大会。
1月2日(月)無料宿泊所(船見寮)面会・交流会
1月4日(水)8時〜 越冬団結小屋バラシ。西柳公園掃除。
1月9日(月)午後7時 越冬活動総括集会(西柳公園)
 物資と活動資金のカンパをお願いします!

(1)物資・食料品:
 毛布、衣類(男性用のみで冬物)、ふとん、靴(男性用)、簡易カイロなど。 お米、野菜、調味料、みそ、しょうゆ、肉、果物、おもち、乾めんなど。
 【期間:届け先】12月28日(水)から1月3日(水)まで
  現地西柳公園(オケラ公園)で受け付けています。
郵送:名古屋市中村区名駅4の12 西柳公園内 名古屋越冬実行委員会
(2)車両の貸与
  運転手つき大歓迎! トラック・ワンボックス等荷物運びに適した車。越冬集中期間中に貸して頂ける日にちをご連絡下さい。
(3)現金
 【送金先】:郵便振替口座 00840-9-11541 名古屋越冬実行委員会

第31回名古屋越冬実行委員会
(連絡先)名古屋市中村区則武2−8−13 笹島労働者会館2階
   052-451-4176(笹島日雇労働組合)、052-451-4585(火・金:笹島診療所)
 ※12月28日〜1月3日 西柳公園現地連絡先:052−541-6131(仮設)

(構成団体)
 笹島日雇労働組合、 笹島診療所、 就労保障獲得実行委員会(準)、名古屋炊き出しの会、名古屋夜回りの会、野宿労働者の人権を守る会、  いこいの家、名古屋カトリック正義と平和委員会福信館炊き出しの会、 日本基督教団中部教区愛知西地区社会部、同愛知西地区教会婦人会連合、 日本聖公会中部教区愛岐伝道区、 日本福音ルーテル教会尾張岐阜地区宣教委員会、怒りの広場実行委員会