1.当会の活動内容の概略

野宿労働者の人権を守る会は1988年、絶え間ない野宿者への差別襲撃から彼らを守るためのパトロール活動として、夜まわりを始めるとともに設立されました。その後のメンバーの移り変わりや活動方針の発展を経つつも、一貫して野宿者たちの側に立ち、彼らの生活や活動を支援すること、社会に対して広く実情を訴えること、そして究極的には社会をよりよい方向に変えていくことを基本理念として、様々な活動を展開してきました。
 現在の私たちの活動は、主に5つに集約することができます。まず「野宿者たちの生命・生活を支えるための活動」として、「夜まわり活動(2)」、「昼まわり活動(3)」、「福祉行動(4)」、「その他の活動(対行政交渉、越冬活動など)(8)」を挙げることができます。次に、「野宿者たちの仲間づくり、生きがいを生み出す活動」として、「仲間たちの仕事づくり活動(5)」、「仲間の日(6)」、「ソフトボール大会(7)」を行っています。さらに、これら5つのすべては、様々な市民との関わりを通して、「社会に野宿者の実情を訴える活動」としての意味も持っています。
 この間、わずかな関わりしかなかった人も含めて、何百人もの市民が私たちの活動に参加してきました。参加者は職業、性別、年齢、国籍など、どの点をとっても多岐にわたっています。最近では国会議員が夜まわりに参加したこともあります。また、最近の重要な傾向として、当該の野宿者たち自身による活動への主体的・積極的な参加が極めて顕著になってきている、という点が挙げられます。もはや現在の私たちの活動は、彼らの存在抜きには考えられません。
 では、以下で2〜6のそれぞれについて、活動内容を簡単に紹介したいと思います。