報道から(死活保護関連:東京)

就労体験プログラム:来月から本格実施 生活保護受給者増に歯止め−−港区 /東京

 ◇就労体験者に時給

 港区は生活保護受給者に向けた「就労体験プログラム」を4月から本格実施し、23区で初めて、短時間の就労体験や見学に、時給を支払う。受給者増に歯止めをかける試み。

 実施は民間業者に委託し、希望者は▽福祉施設などの清掃や布団の整理▽草取り、落ち葉拾い、簡単な配膳(はいぜん)▽在庫確認などの軽作業や事務▽内職−−などを体験する。いずれも1人で出来る仕事や軽作業で、就労支援員のアドバイスを受けながら体験や見学。体験料として、時給750円と交通費を支払う。

 同区は昨年4月から、無料宿泊所などの管理運営業者に委託し、働く意思がある人に、履歴書の書き方や面接のアドバイスハローワークへの同行など就労の手伝いをしてもらう事業を開始。これまでに59人が一時的にせよ就労できた。

 一方で「さまざまな理由で『働けない』という人には、いわゆる定職に就く壁は高い」(区生活福祉課)とみて、プログラムで成功体験を重ね、自信をつけてもらうことにした。05年度中に50人が1回4時間で4回利用すると想定し、約200万円を予算化した。

 昨年12月から試行したところ、これまでに約30人が参加し、高校中退後20年近く引きこもっていた男性(39)が、プログラムを機に継続して働き始めた例もあるという。

 厚生労働省の統計では、全国の生活保護世帯、人員は04年11月現在で100万世帯、143万人(04年11月)と、1950年の制度発足以来最多。港区でも、99年3月の1407人から、05年2月には1877人と約3割増加している。【窪田千代】
毎日新聞 2005年3月17日
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/tokyo/news/20050317ddlk13010202000c.html